「照明つけっぱなし」で睡眠をとると肥満や糖尿病のスクが上昇
【「照明つけっぱなし」で睡眠をとると肥満や糖尿病のリスクが上昇 夜の照明にどんな工夫をすると良い?】
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夜に明るい照明をつけたまま眠ると、体内時計に影響し、質の良い睡眠をとれなくなるだけでなく、心拍数は上がり、血糖を下げるインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性があらわれることが分かった。「睡眠の質を高めるために、夜はカーテンを引き、ブラインドを閉め、なるべく照明を消すようにすると良いでしょう」と、研究者は述べている。
□体内時計が乱れると睡眠の質が低下 糖尿病リスクが上昇
体には、およそ24時間周期のリズムをつくりだす「体内時計」のメカニズムが備わっている。体内時計は、体温やホルモン分泌など体の基本的な機能をコントロールしている。さらに睡眠、覚醒のピーク、食欲や消化などに含め、インスリン分泌にも影響し、糖尿病にも関わると考えられている。
夜に明るい照明をつけたまま眠ると、体内時計に影響し、質の良い睡眠をとれなくなるだけでなく、心拍数は上がり体が緊張した状態になり、血糖を下げるインスリンの作用が悪くなるインスリン抵抗性にも悪影響があらわれることが分かった。研究は、米国のノースウエスタン大学医学部で睡眠医学を研究しているフィリス ジー氏らによるもの。研究グループは、生体リズムを健康にして、睡眠の質を高め、日中の覚醒についても改善するために、日中と夕方の照明をどれくらいにすると効果的かを研究している。
□明るい照明で睡眠をとるとインスリンが効きにくくなる
研究グループは、さまざまな種類の照明が、生体リズムや、毎日の睡眠と覚醒のパターンに、どのように影響をもたらすかを正確に測定する方法を開発した。
そして、20人の健康な若年成人を対象に、2晩連続して研究施設で睡眠をとってもらう実験を行った。2群に分け、ひとつの群には2晩とも3ルクスという薄暗い照明のなかで寝てもらい、もうひとつの群には最初の晩は3ルクスの照明、2日目は100ルクスという明るい照明のしたで眠ってもらった。
その結果、明るい照明で睡眠をとると、心拍数が増加し、心拍変動が低下することが分かった。これらは、自律神経系が活性化して、体が緊張していることを示している。
さらに明るい照明で眠った翌朝は、インスリン抵抗性が亢進していた。インスリン抵抗性は、血糖を下げるインスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態だ。
□夜の照明にどんな工夫をすると睡眠の質を高められるか
「夜の明るい照明の影響は、考えられていた以上に大きいことが分かりました。今後は、長期的な調査も行い、睡眠や生体リズムを改善し、日中の覚醒もサポートする、健康的な環境作りについて明らかにしたいと考えています」と、ジー氏は述べている。
睡眠の質を高めるためには、夜は明る過ぎない照明に切り替えたり、床に近い足もとに光を当てるなどして工夫すると良いという。また、黄色やオレンジ色などの暖色系の光は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げにくい、つまり眠りを妨げない、逆に朝の目覚めを良くしたいときは、強い白色光を浴びるのが効果的という報告がある。
遮光カーテンやブラインドを使ったり、室内の照明をコントロールできない場合は、アイマスクをつけて眠り、光が顔に当たらないように工夫することも役立つ。「概日リズム(24時間周期の生体リズム)を調整するために、日中はなるべく日光にあたり、夜間は明る過ぎない環境にすることも大切です」と、ジー氏は指摘している。
□明かりをつけたまま眠ると肥満リスクも上昇
英国のマンチェスター大学と米国のコロラド大学なども、睡眠について研究している。日中・夕方・夜間に光を浴びるときに、どのような照明が健康的かを示す国際的なコンセンサスを作る研究に取り組んでいる。
2019年に発表された、米国の4万3,722人の女性を対象とした調査でも、寝室の照明が健康に悪影響をもたらすことが示されている。部屋の明かりをつけたまま眠る習慣のある人は、そうでない人に比べ、体重が増加しやすいことが示された。とくに都市部では、就眠時間のぎりぎりまで、テレビやスマホ、タブレットなどの画面の発光するデバイスを見ていたり、また睡眠をとっているときも、部屋の明かりやテレビをつけたままにしている人が多い。
今後は、すでに血糖値が高くなっていたり、インスリン抵抗性のある、糖尿病の人や糖尿病予備群が、睡眠中の照明によって体のコンディションにどのような影響があらわれるかを調べることも重要だとしている。
□LED照明や光センサーを活用
最近は、LED照明の技術が上がってきて、光の強さを簡単に調整できたり色を変えられるなど、使いやすくなっている。また光センサーのコストも低下している。こうした新しい照明やセンサーを有効に活用することも考えられる。「光曝露の健康への影響については、食事や運動など、ほかの生活習慣因子に比べるとあまり研究が進んでいません。しかし、健康的な環境作りは、住宅・職場・教育機関・医療機関などにとって有用です」と、マンチェスター大学のティモシー ブラウン教授は言う。
「体の健康なリズム、夜間の睡眠、日中の覚醒をサポートするために、毎日の適切な光曝露パターンについて、科学的なコンセンサスやガイダンスが求められています」としている。
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(三上公平)
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