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2022年5月20日 (金)

手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐしくみ

不安なときに誰かと手をつなぐととても安心する。人のあたたかさは不安や恐怖を和らげてくれる。みんなが知っているけれども、なんとも不思議な人間の仕組みが科学的にも明らかになってきた。

リンク「カラパイア」さんより抜粋です。

***
人類は進化という名の学習を続けて今日まで生き延びている。危険なものを避けるように学習し、身近な人の社会的支援を得ることで、生存率を上げ、子孫を残せるようになった。

心許せる身近な人のぬくもりや暖かさは、不安や恐怖を減少させてくれることも、我々の先祖は既に学習していた。この古典的条件づけは今の我々に根付いている。物理的手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐことが、『Emotion』に掲載された研究により明らかとなった。 

◆人間に根付いた古典的条件付け

この世にはもっと怖いものがたくさんあるはずなのに、蜘蛛や蛇を極端に怖がる人がいるのはなぜなのか?「生物学的準備性」によれば、その答えは過去の進化にあるという

我々の祖先が生きていた時代、蜘蛛や蛇は危険な存在だった。それらを避けるよう学習した人間は生存率が上がり、それだけ子孫を多く残すことができた。つまり蛇や蜘蛛の危険性について、私たちは大昔に予習しているのである。だから私たちは、現代社会に潜む危険より、それらの危険性を優先してしまうという。

その一方で、信頼できる親や友人など、安心できたり、支援してくれる人たちの存在は、そうした恐怖や不安を和らげてくれる。これも進化が関係している。身近な人たちの力を借りることができた祖先もまた生存率が上がり、それだけ多くの子孫を残せたのだ。こうした安全を感じられるサインを、「準備された安全刺激」という。

『Emotion』に掲載された研究によるなら、「物理的な暖かさ」もまた「準備された安全刺激」かもしれない。というのも、暖かさは生存に不可欠なだけでなく、対人関係の温もりとも関連しているからだ。

つまり、手を差し伸べてくれる人の特徴である、寛大さ・優しさ・親切心といったものと条件付けて学習していると考えられるのだ。 

◆手の暖かさと安全に関する研究

この研究では、物理的な暖かさと安全刺激の関係について、以下の2つの実験を行って調査した。

●実験1 目的:さまざまな物体に対する恐怖学習を確認すること。

(中略)

●実験2 目的:温熱パックによって、恐怖反応が予防されるかどうか確認すること。

(中略)

◆手の暖かさは不安を軽減することが判明

この実験から、物理的な手の暖かさは、恐怖反応の学習を防ぎ(研究1)、恐怖反応そのものを抑える(研究2)ことが確認された。被験者は事前の安全訓練を受けることなく、学習・荷重遅延テストをパスしたのだ。

つまり、物理的な暖かさは、社会的な支援者がいるときと同じように永続的な効果があり、準備された安全刺激とみなせるということだ。これは理にかなったことだ。なぜなら、どちらも神経生物学的経路を共有しているからだ。この経路は「こうした体験を求め、強化するよう生物を動機付けることで、物理的な暖かさと社会的つながりへのアクセスを確保するよう進化」してきたものだ。

たとえば、オピオイドプロセスは「体の暖かさの調整」「社会的絆の維持」「暖かさによる社会的につながっている感の維持」に重要な役割を果たしていることが知られている。またオピオイド系は、恐怖条件付けにも関係する。 

◆物理的な暖かさと不安障害・PTSDの治療

この研究では、物理的暖かさは準備された安全刺激の一種であり、長期的に恐怖を抑えることが確認された。これは意外なことではない。暖かさは生存にとって必要不可欠なものだからだ。実際、生まれたばかりの赤ちゃんを温めてやれば、生存率は上がる(未熟児では特にそうだ)。また物理的な暖かさは、人付き合いの暖かさや社会的サポートとも関連する。

こうした発見は、「不安障害」や「PTSD」の治療にとっても示唆に富んでいる。これらの症状は、安全であるとうまく学習できないことや、安全であるのに恐怖反応を抑えられないことに起因している。
 こうした症状の治療としては、あえて嫌なことに触れて慣れさせる方法(暴露療法)があるが、比較的再発率が高い。慣れたと思っても、恐怖や不安がぶり返しやすいのだ。

だが準備された安全刺激の効果はいつまでも続く。うまく使えば、暴露療法などの限界を克服することができるかもしれない。もちろん暖かさから感じられる心地よさも、曝露療法で向き合わねばならない恐怖の対象への嫌悪感を和らげることだろう。

References:Warm hands, warm hearts: An investigation of physical warmth as a prepared safety stimulus - PubMed / If You Feel Alone and Afraid, Warm Up Your Hands | Psychology Today / written by hiroching / edited by / parumo

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(匿名希望)

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