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2022年6月 3日 (金)

「音波でがん細胞を破壊する」というマウス実験に成功

リンク から引用

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ミシガン大学の研究チームが非侵襲的な音響技術を用いることで、マウスの肝腫瘍を完全に破壊することに成功しました。この方法を用いることで体にメスなどを入れることなくがん細胞を破壊し、免疫系を刺激してがん細胞が体内で広がることを防ぐことも可能となります。

研究チームが開発したのは、音波を用いて体内のがん細胞を破壊するという手法。音波を用いた治療では、肝腫瘍の50~75%だけを破壊し、残りの腫瘍はマウスの免疫系を刺激することで退縮させることが可能です。同治療法の実験では、80%以上のマウスでがんの再発・転移を防ぐことに成功しています。

同研究に携わったマラヤ大学の生物医学工学のZhen Xu教授は、「腫瘍全体を標的としなくても、一部の腫瘍を破壊し残りは退縮させることで、将来のがん転移リスクを減らすことができます」と語っています。

研究チームの開発した音波を用いたがん治療法は、「Histotripsy」と呼ばれる治療法の一種。「Histotripsy」は超音波を非侵襲的に収束させ、ミリメートルの精度で標的組織を破壊するというもの。同治療法は比較的新しいもので、記事作成時点ですでにアメリカおよびヨーロッパでの肝臓がん治療試験に用いられています。


多くの臨床現場では、腫瘍の大きさや位置、病期などからがん性腫瘍そのものを治療の対象にすることができません。しかし、今回の研究では腫瘍の一部を破壊対象とすることで、主要な腫瘍を破壊し、一部の腫瘍を残すという治療アプローチに成功しています。

同研究に携わったTejaswi Worlikar氏は、「Histotripsyは現在利用可能なアブレーションモダリティの限界を克服し、安全で効果的な非侵襲的肝腫瘍アブレーションを提供できる有望なオプションです。この研究から得られた知識が肝臓がん患者に対するHistotripsyの臨床採用という究極の目的を達成することにつながり、将来の臨床研究への動機づけにつながることを期待しています」と述べています。

肝臓がんはがん関連の死因としてはトップ10に入ります。肝臓がんにはさまざまな治療オプションがありますが、アメリカでは5年後の生存率が18%未満とされており、予後が悪いことで知られています。つまり、肝臓がんの転帰を改善するための臨床的必要性が浮き彫りとなっているわけです。

放射線治療や化学療法といった従来のがん治療は副作用の伴う治療法ですが、音波治療は副作用なしでの治療が可能です。また、Xu教授は「マラヤ大学で設計・製造されたトランスデューサーは、高振幅のマイクロ秒長の超音波パルスを放出し、腫瘍だけを破壊します。従来の超音波装置ではイメージングに低振幅のパルスを使用していました」と、研究チームの開発した治療法と従来の治療法の違いを説明しています。なお、マラヤ大学の開発したトランスデューサーは、超音波パルスを放出して標的組織内にマイクロバブルを生成し、このマイクロバブルが急速に膨張・崩壊することで、がん細胞を破壊します。

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(山口拓巳)

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