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■解熱剤という存在 個別のニュースのリンクはいたしませんが、最近、 10歳未満の子どもがコロナで亡くなった、などの非常に若い年齢層での死亡事例のことをたまに目にします。前から思っていたこととして、インフルエンザなどもそうですが、コロナのように、基礎疾患のない若い子どもは「ほぼ絶対に死に至らない」というような感染症が、致死性になっている原因のひとつに、「解熱剤の濫用」があると考えています。
たまにネットのニュースなどで取りあげられる日本の医師の方などが複数、「カロナール(アセトアミノフェン)が足りない」というようなことを書かれているということは、熱を訴えて病院に来た人たちに相当処方していると見られます。 まあ、処方するほうは一種の手順というかプロトコルですので、それはいいとして、処方されて家庭で子どもなどに服用させる際に、「ちゃんとしているのか」という思いがあります。まさか、熱が 39℃以下などで解熱剤を与えたりはしていないかなど。
あるいは、多くの親御さんたちが「発熱という現象を勘違いしている」ということも、この解熱剤の濫用に拍車をかけていると思われます。今回、過去のいくつか論文をご紹介しようと思いますが、そもそも、人類には「発熱恐怖症」というものがあり、熱に対して過剰に恐怖する傾向は大昔からあったようで、これは、古代ローマの頃からあったことのようです。
しかし、今では、アメリカなどの多くの小児科の専門家たちは、「発熱を恐怖するのは、都市伝説」とまで言い切っています。
(ミシガン大学の小児科の教授ハワード・マーケル氏の言葉)
> 結局のところ、発熱は非常に気分が悪くなるということがあり、もちろん実際に重大な病気である場合もあります。 しかし、発熱に対するより大きな私たちの姿勢は、何世代にもわたって伝わった誤った情報と実際の発熱時の苦しみによって、社会的および文化的に媒介されているものです。 > > 私たちは、古い情報に基づいて発熱を警戒するように育てられています。その中には、今日(の医学的見識)と非常に関連するものもあれば、それほど関連しないものもあります。 > > 発熱に関しての古い情報すべてを都市伝説や俗説と呼びたくはないですが、発熱恐怖症は、その背後にある感染症と同じくらい広く広がる文化的慣習です。(A Cultural History of the Fever)
現在のアメリカの小児科での基本的姿勢は以下のようになっているようです。シアトル小児病院ウェブサイトの「発熱 - 俗説と事実」というサイトから抜粋します。
■発熱に関しての俗説とファクト 多くの親たちは、発熱について誤った信念 (俗説) を持っています。彼らの多くは熱が子どもを傷つけると思っています。子どもが熱を出すと、心配して眠れなくなります。これを発熱恐怖症といいます。実際、発熱は無害であり、しばしば役に立つものでもあります。以下の事実が、子どもの発熱についての理解を深めるのに役立ちますように願っています。
俗説 すべての発熱は子どもにとって悪いものだ。
ファクト 発熱は体の免疫システムをオンにします。それらは体が感染と戦うのを助けています。 37.8° ~ 40°C の通常の発熱は、病気の子どもにとっては良いことなのです。
俗説 40℃ を超える発熱は危険だ。それらは脳の損傷を引き起こす可能性がある。
ファクト 感染症による発熱は、脳に損傷を与えません。42° C を超える温度のみが脳に損傷を与える可能性があります。しかし、体温がここまで上がるのは珍しいことで、これは、気温が非常に高い場合にのみ発生します。例としては、暑い時期に閉め切った車内に放置された子どもが挙げられます。
俗説 熱けいれん発作は誰にでも起こり得る。
ファクト 熱を伴うけいれんを起こす可能性があるのは、子どもの 4% (25人に 1人)だけです。
俗説 すべての発熱は解熱剤で治療する必要がある。
ファクト 発熱は、不快感を引き起こす場合 (子供の気分が悪くなった場合) にのみ治療する必要があります。ほとんどの発熱は、39℃ または 39.5℃ を超えるまで不快感を引き起こしません。
俗説 治療をしなければ、熱が上がり続けてしまうのでは。
ファクト それは間違いです。脳は体が熱すぎることを知っているからです。感染によるほとんどの発熱は、39.5°- 40°C を超えることはありません。 40.6° または 41.1°C になることはめったにありません。そして、これらは「高熱」ですが、無害なものです。
俗説 体温の正確な数値は非常に重要なことだ。 ファクト お子さんの見た目や行動が大切です。正確な体温は特に重要なことではありません。
俗説 「微熱」とは、37.1° ~ 37.8°C のことだ。
ファクト これらの温度は正常です。体温は一日を通して変化します。午後遅くから夕方にかけてピークを迎えます。実際には、微熱というのは 37.8° ~ 39° C のことです。
まとめ 発熱こそが、あなたのお子さんの感染を撃退していることを心に留めておいてください。発熱は善人の一人です。
(後略)
(匿名希望)
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