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2022年10月 7日 (金)

良いことだらけの腸内細菌~7つのはたらき

これからしばらく腸内細菌について、学んでいきたいと思います。詳しくはブログ「新しい農のかたち」で展開していきますが、腸内細菌の追求をされている書籍がありましたので紹介しながらポイントを抑えていきたいと思います。転載する書籍は桐村里紗氏の「腸と森の土を育てる」リンクです。まずは腸内細菌の基本的な働きについてです。

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腸内細菌に主に任せたいのは、人に分解できない植物の中の多糖類(食物繊維など)の分解です。ですから食物繊維を含む食品をせっせと食べることが土壌改良の基本になります。
多糖類をエサにする腸内細菌は、ビフィドバクテリアや酪農菌など、人に有用な短鎖脂肪酸などの有機酸を分泌する発酵菌です。これらの有機酸が、成熟した土と同じように腸を弱酸性に保ち、有用菌が暮らしやすく、腐敗菌が暮らしにくい環境を作ります。
腸内細菌が生み出す有機酸の働きを整理してみます。

1) 腸内環境を整える
有用菌が乳酸や短鎖脂肪酸などの有機酸をしっかり分泌して、腸内と弱酸性に維持できれば、有用菌が暮らしやすく、病原菌、腐敗菌が増えにくい腸内環境に整えることができます。日和見菌が優勢な方の味方につくため、全体が良い環境になります。

2) 便秘の改善
ビフィズス菌や酪酸菌が短鎖脂肪酸をつくると、大腸の粘膜が刺激されて蠕動運動が活溌になり、スムーズな排便が可能になります。また、短鎖脂肪酸によって、腸管の中に水分が放出され、便の水分量がアップします。便の水分量が増えると、腸の中を移動しやすくなるので、便通の改善につながります。

3) 腸のバリア機能を改善する。
短鎖脂肪酸は、腸の上皮細胞のエネルギー源になり、成長を促します。腸の上皮細胞は身体を外敵やアレルゲンから守るために重要なバリアの役割を果たします。

4) 免疫機能のバランスを整える
免疫細胞の約7割は、腸管の周りに集まっています。酪酸菌が分泌する酪酸には、免疫細胞の一種である制御性T細胞(Tレグ)の成長を促す働きがあります。
免疫にとって、ウィルスなどの外敵の攻撃だけが重要なのではありません。免疫反応とは体内の暴走をなだめるのが、Tレグの役割。アレルギーや自己免疫疾患、また新型コロナウィルス感染症の重症化の抑制に、Tレグは不可欠です。腸内細菌によって酪酸が分泌されることで、正常な免疫機能を保つことができるのです。

5) 肥満や糖代謝の改善
短鎖脂肪酸は、腸管で吸収された後に全身で利用されます。エネルギー代謝を高めるだけではなく、脂肪細胞の肥大化を防いで、脂肪の蓄積を抑えて、痩せやすい体質に近づけてくれます。短鎖脂肪酸は、脳にも作用して満腹感をもたらし、食べすぎを抑えるのでダイエットにも役立ちます。他にも糖の代謝に関わるインスリンと消化管ホルモンに関与することで、糖尿病の予防をサポートします。

6) 脳機能の維持
短鎖脂肪酸のうち、酪酸には脳の炎症を抑えたり、脳の成長や機能の維持に不可欠な脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やす働きがあります。これにより抗うつ効果や脳機能の改善につながっていると考えられています。

7) 発がん物質の抑制
短鎖脂肪酸には発がん性の原因物質といわれる、二次胆汁酸の産出を抑制する働きもあります。

このように生きた土が植物の成長をサポートするのと同様に、腸内に健康な土壌があれば、健康を様々な形でサポートしてくれるのです。

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(田野健)

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