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2022年10月25日 (火)

生命は開放系 「生態系とは生と死の循環の中にある」

桐村里紗氏の著書「腸と森の「土」を育てる」より今回も重要な一節を紹介します。氏は生と死は循環であるとしています。そのしくみを見ていきます。

>生命は常に、外界とのエネルギーの交換がある「開放系」だということです。一つの生命は、他社の助けがないと自己を維持できない連続的で相互依存的なシステムです。生態系とは、つまり連続的な生と死の循環です。「孤独」になりたくてもなれないのが生命なのですが「自分一人で生きている」と勘違いさせるのは、分断と細分化が得意な人の認識の罠です。さらに一瞬として同じ状態ではなく、常に動き続け、変化し続けている。固定して変化しないことは、むしろシステムの死を意味します。

人を含め、消化管を持つ動物にとって、外界とのエネルギー交換に必須の臓器が消化管なので、まずは生命維持には消化管ありき。脳は2の次です。
そして生態系の連続性は食を通して保たれているので、食はとても大切な行為なのです。日本人が「いただきます」という時、それは「御命を頂戴しています」という他の生命への感謝と死への弔いを意味していることはご存知のとおりです。
そして「食べること」は必ず、外界にインパクトを与えますから、巡り巡って、環境問題として接続せざるを得ないのです。

消化管という重要な生命維持システムを支えているのが、免疫システムと常在細菌です。

消化管の役割:食事を消化、分解、吸収
 外側の他者(非自己)を無個性な素材に分解し、自己の内に取り込む
免疫システムの役割:自己の内側で敵を排除
 外側の他者(非自己)から自己の内なる世界を守る
常在細菌の役割
 外側の他者(非自己)でありながら免疫と連携し、自己の内を守る・維持する。

免疫システムは「自己」と「他者(非自己)」を区別し、「自己」を攻撃する「他者」を排除し、「自己」を守るのが仕事です。内側の世界で、侵入者を排除すべく守る、優秀な近衛兵が免疫細胞です。
一方、常在細菌は、本来免疫システムに排除されるはずの「他者(非自己)」でありながら、共生を許され、免疫システムと協力しあいながら、病原性の微生物や異物などの「他者」の攻撃から「自己」を守ります。
 ただし、自己の内側の世界には入れてもらえないので、内と外の境界線の外側を守るゲートキーパーのような役割です。その境界線にある防御壁が粘膜や皮膚の外側の上皮細胞です。腸壁もそのひとつです。

小腸の上皮細胞はかなり厳重な防御壁となっていて、栄養素など「体内に入れて良し」と認定したものを通す代わりに、それ以外のものを通さないはずなのです。その防御壁の外側を守るゲートキーパーが腸内細菌です。彼らは外的な毒素などが防御壁にまで到達しないように層状に隊列を組み、守っています。ところが、腸内環境が悪化してバランスを崩してしまうとこの隊列が崩れます。腸が炎症を起こして鉄の防御壁が脆弱になり、未消化の食べ物そのまま通過させてしまうようになります。

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腸とは生と死の循環を生み出す生命機能そのものなのです。

(田野健)

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