眠気の正体~睡眠の謎~
人は睡眠と覚醒を繰り返す生き物。
何故私たちは人生のうち多くの時間を使い眠り、そしてまた目覚めるのか。
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人は睡眠と覚醒を繰り返す。その極めて日常的な行動の仕組みは、実は“神経科学最大のブラックボックス”といわれるほど謎に包まれている。そもそも、なぜ、私たちは眠らなければならないのだろうか。
1998年、それまでまるで雲をつかむような状態だった睡眠研究に大きな変化をもたらしたのは、睡眠や覚醒に深く関わっている神経伝達物質「オレキシン」の発見だった。オレキシンの発見者である筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史さんは、睡眠の謎解明に挑み続ける一方で、睡眠障害の診療に貢献すべくベンチャー企業を立ち上げた。基礎睡眠学研究の第一人者に、研究の現在地と、実現間近という睡眠医療の革新について伺った。
睡眠時間の短い国、日本。
睡眠不足は判断力や健康にも影響
近年、日本では仕事と私生活とのバランスを取り、心身の健康を維持することでQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させることに重きが置かれるようになってきた。QOL と深い関わりがある健康を意識するときに、睡眠のことを気にかける人は多いだろう。しかし、睡眠の研究を進める柳沢さんは「世界的に見て日本は最も睡眠不足な国であることは間違いありません」と危機感を訴える。
「特に、日本では、幼児も就寝時刻が遅くなっていて、睡眠不足は子どもの頃から始まっています。これは人生に大きな影響を与えてしまうでしょう」
睡眠不足が続くと、注意力や判断力が低下する。また、日常的な睡眠不足は、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を発症させる危険性があることや寿命を縮めるという報告も多い。「疫学的には、睡眠と健康は関係があることははっきりしています。しかし、なぜ、そのようなことが起こるのかというメカニズムは、ほとんど何も分かっていません」(柳沢さん)
睡眠の謎 「機能」と「制御」
睡眠には大きな二つの謎がある。その一つは「睡眠の機能」だ。睡眠中に何かが脳内で回復していると考えられるが、具体的に何が回復しているのか、どうして睡眠が必須なのかは分かっていないという。
「眠っている間も脳の代謝率は低下しないので、単に休んでいるわけではなく、コンピューターに例えれば、オフライン・メンテナンスのモードだと考えられますが、そこで具体的に何が起こっているかは分かっていません」(柳沢さん)
そして、もう一つの謎は「睡眠の制御」だ。人間でも、動物でも、毎日の睡眠量はほぼ一定に保たれている。また、寝不足になると、その翌日は眠くなってたくさん寝る。このように、睡眠には恒常性があるのだが、睡眠量を調節するメカニズムは分かっていない。
「睡眠の制御と密接に関係しているのが眠気です。長く起きていたり、睡眠が足りなくなったりしてくると、眠気が増して、最終的には眠ってしまいます。ただ、この眠気が脳内でどのように制御されているのか、そして、睡眠と覚醒を切り替える脳内のスイッチとどのように結びついているかは、まったく分かっていないのです」(柳沢さん)
柳沢さんによると、睡眠は日本庭園などに使われている「ししおどし」で考えてみると分かりやすいという。ししおどしは、竹筒に少しずつ水を入れていき、いっぱいになると、その重みで竹筒の頭の方が下がる仕組みになっている。ししおどしに水が入る状態が、人間でいうところの覚醒状態で、竹筒に入る水が眠気だ。人間も起きている間に、だんだんと眠気が増えていき、眠気にあらがえなくなると竹筒の向きが変わるように、一瞬で睡眠状態になる。そして、睡眠によって、眠気が解消されることで、再び覚醒状態となる。
柳沢さんはマウスをモデル動物として、睡眠に関するこれら二つの謎に挑んでいる。それにしても、なぜ、マウスなのだろうか。「ヒトやマウスに限らず、中枢神経系を持っている動物はすべて眠ります。より小さくて単純なショウジョウバエや線虫を使って睡眠の研究をする人たちもいます。しかし、それらは脳波を測ることができません。そのため、行動学的に動いていないことを睡眠とみなして判断することになり、正確性に欠けます。その点、マウスは脳波を測ることができるので、人間と同じように睡眠状態を脳波で見極めることができるという利点があります」と柳沢さんは説明する。しかも、マウスで発見した生化学的なメカニズムは、ヒトにも応用しやすいという利点もある。
睡眠研究へと導いた「オレキシン」の発見
柳沢さんは、もともと睡眠とは関係のない研究をしていた。1987年に血管を収縮させる作用をもつエンドセリンという物質を発見したことで世界的に有名になり、1991年にアメリカのテキサス大学に迎え入れられた。そこでは、まず、エンドセリンに関連する物質を一つ一つ調べていく研究に取り組んだ。
この研究のゴールが見え始めると、柳沢さんは新たな研究テーマを探るようになった。そこで目を付けたのが、「オーファン受容体」というものだ。受容体というのは、細胞の表面などにあって、特定の物質を受け取ることで、決まった働きをする。だが、受容体の中には、まだどのような物質を受け取って、どのような働きをするのかがはっきりとしていないものもある。オーファン受容体とは、そのような受容体を指す言葉だ。
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(匿名希望)
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