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2022年11月13日 (日)

身体の声を聴く~科学的根拠と実践方法

「身体の声を聴く」とは、スピリチュアル系の話に留まるものではなく、科学的に説明ができる身体機能の一つです。

「お腹が空いた」、「心臓がドキドキする」、「胃がムカムカする」など、身体の中の感覚を感じて日常を過ごしています。このような身体の中の感覚を「内受容感覚」と呼びますますが、この感覚が「身体の声を聴く」と密接に繋がっています。

内受容感覚に鈍感な人は、嬉しい、悲しいなど自分の感情に気づきにくい傾向があるとが分かってきています。さらに、内受容感覚の敏感さと、自分ではなく他人の感情などを感知する能力とも関連していると考えられています。

「身体の声を聴く」とは、対象と一体化し、同期するための第一歩なのだと思います。

以下、『「身体の声を聴く」実践』リンクより抜粋
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「身体の声を聴く」という表現で、スピリチュアル系の話だと片付けてはいけない。これは、体と心の状態を毎日しっかりと把握し、進歩していくための合理的な方法なのだ。

人生のほとんどの場面で、成長するにはバランスと柔軟性が不可欠だ。無理のない範囲で自分に課題を課し、うまくいかないことがあれば、方向転換できなければならない。だからこそ、フィットネスの世界には、「身体の声を聴く」というトレーニングの鉄則がある。

この表現は曖昧で実践的ではないと感じるかもしれない。ヨガインストラクターのアレックス・シルバー=ファーガンによれば、「身体の声を聴く」とは心と身体のつながりに意識を向け、身体面と感情面の両方のニーズが満たされるように身体の動きを導くことを意味している。

少し抽象的すぎるかもしれないが、これには科学的根拠がある。人間の脳は心拍数の上昇、筋肉の緊張、空腹やのどの渇きといった感覚情報など、身体の中から発せられる信号を記録し、身体の状態を推測するのに利用している。この推測は「内受容感覚」と呼ばれる。「内受容感覚が強化されると、自分の身体に対する意識が高まり、このような信号をもっと自覚できるようになります」そう語るのは、サウスダコタ鉱業技術大学で心理学の准教授を務めるジョナサン・ギブソン博士。内受容感覚が鋭い人は、精神的、感情的、社会的に健康で大きな満足感を得ている傾向があるという。その理由は、恐らくこうした意識によって、習慣的に心と身体のニーズにもっと対応できるようになっているためだろうと博士は説明する。また、同じ理由から、この能力が運動能力の向上に関連していると裏付ける研究結果もある。

こうした意識に目を向けるのは、口で言うほど簡単ではないと思うかもしれない。残念だが、まさにその通り。「以前と比べると、人間の直感力は低下しています」シルバー=ファーガンは語る。現代社会には、何をすべきか、どう感じるべきかを指南する情報があふれているため、心と身体のつながりを意識するための「内なる声」が耳に入りにくくなっているという。

だが、身体の声を聴くこと、または研究者が言うところの「内受容感覚を強化する」ことは、訓練によって可能だ。まずは以下で紹介するヒントから始めてみよう。

1. 地面に足を付ける。

身体の声に耳を傾けるには、頭の中を静かにする必要がある。これには、マインドフルネス、すなわち「今この瞬間」に生きることが必要だ。シルバー=ファーガンによれば、朝起きたときに始めれば、1日を通して続けることが非常に簡単になる。彼女がすすめるのは、目が覚めたらベッドの端に座り、足の裏を床に付けること。床を下の階まで押し下げ、さらに地面に着くまで押し下げるような感覚を想像してみよう。地面に足を付ける瞑想エクササイズは、「自分の内側に入る」のに役立つとシルバー=ファーガンは語る。そうすれば、頭の中のノイズをシャットアウトして、「今」に集中し、その時の自分のニーズにより意識的になれる。

2. 呼吸する。

地面に足を付けるエクササイズの後や、時間が取れたときには、ベッドや椅子に腰掛けて、5-10分間呼吸をコントロールしてみよう。この時、胸と腹に意識を集中させることがポイントだとギブソン博士は語る。この時間により、内受容の信号がより自覚的な意識に流れるように脳の配線を作り直し、強化できるという。練習を重ねるほど、効果は上がっていく。

3. 直感に従う。

脳は過剰に何かをさせるか(頑張りすぎるタイプによく見られる問題)、力を出し惜しみさせる(特に緊張しているときや疲れているとき)傾向がある。そう語るのは、スポーツ理学療法の臨床専門家で、リカバリーを専門とするスー・フォールソン。自分に最適なポイントを見つけるには、まず直感的に浮かんだことから始め、そこでの感覚をチェックしながら調節することをフォールソンとシルバー=ファーガンはすすめている。

4. 心臓、肺、筋肉に従う。

バーピーの最中など、心臓が飛び出しそうになるたびに心拍数に注意を向けることで、身体意識を大きく向上させられる可能性がある。そう語るのは、リサ・フェルドマン・バレット博士。博士はノースイースタン大学の著名な心理学の教授で、心と体のつながりに関する研究を率いている。研究者たちは、激しいエクササイズの最中に呼吸や筋肉と関節の感覚などの肉体的な合図に集中することで、激しい運動中でなくても、体が出す合図に意識的になれる可能性があると考えている。

5. 記録する。

リアルタイムで身体の声を聴くことになれてきたら、数週間ぶりのカーディオワークアウトの後や、1時間ごとにデスクを離れて身体を動かすようになった数日後などに気分を記録し始めることを、シルバー=ファーガンはすすめている。例えば、3日連続でランニングをするとヴィンヤサヨガのセッションでの動きが鈍くなると気付き、代わりにリストラティブヨガのクラスを受けることにしたり、ハードなワークアウトの翌日は筋肉痛がひどく、ソファで1日中過ごしていると気付き、リカバリーの日にあるタイプの動きをしてみたりできるようになる。

こうなると、身体の声を聴くだけでなく、身体としっかり会話できている状態になるのだとシルバー=ファーガンは語る。そして、それこそが成長し続けるための鍵なのだ。

 

(斎藤幸雄)

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